もう何年前になるでしょうか。私が19歳の時この本にあこがれてヨーロッパやアジアをバッグパック１つ背負って旅をしていました。25年たった今も強烈に記憶の断片に残り続ける、私の一生において欠かすことのできない旅の数々です。
「インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行ってみたい――。ある日そう思い立った26歳の〈私〉は、仕事をすべて投げ出して旅に出た。途中立ち寄った香港では、街の熱気に酔い痴れて、思わぬ長居をしてしまう。マカオでは、「大小（タイスウ）」というサイコロ博奕に魅せられ、あわや……。一年以上にわたるユーラシア放浪の旅が今、幕を開けた。いざ、遠路二万キロ彼方のロンドンへ！」
※沢木耕太郎著より
思えばヨーロッパへ行く時も、インドへ行く時も貧乏バッグパッカーの旅のため、必ずシンガポールを経由してトランジットし数時間をチャンギ国際空港でのんびりと過ごしたものでした。時に8時間ほど時間があることもあり、チャンギ国際空港を散策した記憶があります。
海外一人バッグパッカーの旅は今も心に残り続ける旅となります。19歳にもなったころ、学生でひたすらアルバイトをし夜も深夜も働き続け、お金をためてはバッグパックひとつでふらりと海外を放浪しました。およそ1年くらいの時間をかけて計画し、お金をためて旅立つスタイルで行く前からワクワクがとまりません。
ちなみに英語もフランス語もイタリア語もスペイン語も何も話せません。片言の英語とジェスチャーでとりあえずは行けると確信しております。もちろん外国語が話せればもっと楽しめたと思いますが、私にはその学力がありませんでした。現代はスマホの翻訳機能も優秀で、こんなのあったら便利だったろうなーと最近思います。
シンガポールにも数度バッグパッカーとして降り立ったことがありますが、チャンギ国際空港に降り立った時からのワクワク感が今も忘れられません。日本からシンガポール航空を利用し、降り立つとそこは当然ながら外国です。匂いも東南アジアの独特な匂いがし、いろんな国の人がたくさんいます。
チャンギ国際空港はアジアでも有数のハブ空港で、当時25年前でもアジアNO1のハブ空港ではないかと言われていました。それだけに空港も巨大で快適です｡インドに行くにしてもヨーロッパへ行くにしてもこの地を踏んでからの出発だったので、思い入れは強い空港です。まあインドに行くにしてもヨーロッパへ飛ぶにしても、日本とは少し違う異質感をチャンギ国際空港で味わい、目的地へ向かうということになります。
さて海外単独旅行最初の目的地はスイス1周でした。バッグパックを背負いヨーロッパの中でも安全性は非常に高い国ですね。 ＜続く＞
