50歳までにセミリタイアときどきソロキャンプ

私は現在45歳で、49歳12月までにサイドFIREをめざしています。

「深夜特急に思う」海外バッグパッカーの旅について③スイス編

 

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スイス・マッターホルン

 

 もう何年前になるでしょうか。私が19歳の時この本にあこがれてヨーロッパやアジアをバッグパック1つ背負って旅をしていました。25年たった今も強烈に記憶の断片に残り続ける、私の一生において欠かすことのできない旅の数々です。

 

「インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行ってみたい――。ある日そう思い立った26歳の〈私〉は、仕事をすべて投げ出して旅に出た。途中立ち寄った香港では、街の熱気に酔い痴れて、思わぬ長居をしてしまう。マカオでは、「大小(タイスウ)」というサイコロ博奕に魅せられ、あわや……。一年以上にわたるユーラシア放浪の旅が今、幕を開けた。いざ、遠路二万キロ彼方のロンドンへ!」

 沢木耕太郎著「深夜特急」より

<最初の海外へ降り立つ>

 さて。シンガポール・チャンギ国際空港からスイス・ジュネーブへ飛び立った飛行機は、夜20時頃に到着しました。大きなバッグパックと初めての海外で、言葉もほとんどしゃべれない私にとって、すべてが未知の世界でした。

 空港での入国手続きが終わるころには21時頃になり、その日は駅で野宿をしようと考えてました。さてと駅を探している途中・・ 近くから声をかけられます。

「どうかしたの?」私が駅を探している風景がどうも挙動不審だったのか、一人の男が声をかけてきます。「駅を探している、今日は駅で野宿を考えている」と伝えましたが、その男は「駅は危険だよ、駅に行くのかい?それならユースホステルのほうがいいよ」となんとなく理解できる英語で声をかけてきます。

 

 「よかったら送っていくからおいで」と声をかけられたものの、夜の海外で知らない人の車に乗るなんてありえないんですが、乗ってしまいました。今考えるとなんで乗ったのか、あまり覚えていないのですが、今でも乗った時バッグパックを抱え込みながら助手席で不安に景色を見ていたのを覚えています。 

 

 しかも夜でまわりも暗い中、車は走り続けます。「私の弟がトウキョウで学生をしているんだ」と運転をしながら言われましたが、心ここにあらず(私)。車に乗ったことを後悔しながら適当に会話をした記憶が今でも鮮明に覚えています。

 (うーん、実に怪しい)と思いつつ窓越しに流れる真っ暗な街を眺めていました。「タバコ吸うかい?」差し出されたマルボロをもらい、1本いただきます。そのあとどのような会話をしたかあまり覚えていませんが、「確かこの辺にユースホステルが・・」と探してくれていたんです。

 

 そして、「あ、ここだよ。ユースホステル。」あ、いい人だったのね。この時ばかりはめちゃくちゃほっとしたと同時に、その男性が天使のように見えましたよ、ほんとに。最後に名前を聞きました、アレックスさんでした。どこにメモを取ったわけでもありませんが、ここまでは鮮明に覚えています。今からおよそ25年ほど前の出来事です。

 

 ユースホステルに入るとたまたま日本人の方が2人いらっしゃって、いろいろと情報交換し、眠りにつくことになりました。 <続く>

 

 

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